予防接種スケジュールについて

◆生後2か月からはワクチンデビューとなります。
2か月児はまだ首がすわらず、からだも小さいため
1種類のワクチン接種でも痛々しく感じられるお母さん
もいらっしゃいます。
でも、2か月から、肺炎球菌、Hibワクチン接種を開始して以来、
乳幼児期の髄膜炎は極めて少なくなっています。

◆少し振り返りますが、肺炎球菌、Hibワクチンが日本で承認された時はまだ、
任意接種(自己負担)でした。
その為に、負担の一部を助成出来るようにとの嘆願署名活動の協力をお母さん方に
お願いし、賛同していただきました。多くのお母さん方の協力をえて
出来あがったワクチン助成嘆願書を瑞穂市市長に手渡した直後に、おりしも、
Hib,肺炎球菌ワクチン接種に対して全国地方自治体が助成金を出すという発表がありました。
その後定期接種化となってからは、接種率の向上により、髄膜炎は著減しています。

◆28年度10月からB型肝炎ワクチンも定期接種として始まります。
B型肝炎ワクチンも標準として2か月から接種がはじまります。
なぜ乳児期から接種するのかといいますと、B型肝炎ウイルスにかかっている人の唾液、
涙、汗などにウイルスがいることもあり、乳児期に保育所や託児所での集団生活を始める場合は、感染する機会が増える可能性があるため、早めの接種開始が良いとされます。

また、乳幼児期に感染するとキャリアー化(ウイルスが体内に残ったまま)する傾向にあり、
将来には肝炎、肝硬変となる可能性があるとされています。

さらに乳幼児期の早期接種はワクチンの効果が(抗体の獲得)それ以降に接種する児と比較して、より期待できるため、早期の接種が推奨されます。(定期接種の対象は28年4月1日以降に生まれた児となります。)

◆また、ロタワクチンによりロタウイルス下痢症は減少し重症例は少なくなっています。
2種類のロタワクチンがありますが、1回目は14週6日までに接種することが
推奨されます。(それ以降ですと自然発生の腸重積の紛れ込みと副反応との鑑別が
困難になるため)

WHO加盟国でロタワクチンを定期接種化している国は79か国に及んでいます。
イギリスでは2013年にロタワクチンが定期接種化されてから、ロタウイルス胃腸炎の報告数が77%減少しています。>(ちなみにアメリカでは2回接種、3回接種ワクチンのいづれかを接種、イギリスでは2回接種のワクチンを定期接種しています。)

◆B型ワクチン定期化により、同時接種のワクチン数が多くなるため、両腕、足(大腿前外側)
への接種もおこなわれます。当院は日本小児科学会スケジュール、KNOW-VPDスケジュールに
沿った予防接種を提案しています。お気楽にご相談ください。