2種類のロタワクチン、どちらがいい?

10月から8月生まれの赤ちゃんに対してロタワクチンの定期接種が始まります。

どちらのワクチンを接種しようか迷われているかたも多いと思います。

①ロタリックス②ロタテック

ロタリックスはロタウイルス胃腸炎患者から分離したヒトロタウイルスを弱毒化し、培養細胞で分離させて精製した経口生ワクチンです。ヒトのロタウイルス胃腸炎の原因となるロタウイルスには5つの血清型(G1.G2.G3.G4.G9)があります。ロタリックスはロタウイルスの中で最も一般的なG1中和抗原を発現する、ヒトロタウイルスワクチン(A群ロタウイルスGIP[8])ですが、交叉免疫によってG1以外の血清型(G2.G3.G4.G9)に対しても予防効果を発揮します。

ロタテックはロタウイルス初回感染時の血清型とその後の感染時の血清型が異なる傾向にあること、地域および継時的に流行する血清型が異なることを考慮して5種類の中和抗原を含む5価ロタウイルスワクチンとして開発されました。

当院では、ロタリックスが先行してロタウイルスワクチンとして承認され、臨床的に接種可能になったのがロタリックスであったという経緯もあって、以来、ロタリックスを中心に接種しています。(ロタテックが使用可能となったのはロタリックスから約8か月後のことでした。)これまでロタリックスを接種した児は重症化することはきわめてまれで、有効であると考えます。ロタテックも同様に有効なワクチンです。ただ、ロタリックスは2回接種で接種が終了できることから、基本的にはロタリックスを接種しています。(明らかな下痢がみられる場合は接種を見合わせることがあるため、接種回数は少ない方が便利であるとも考えます。)

もちろん、ロタテックを希望されるみなさんには、ロタテックを接種していますのでお申し出ください。