感染性胃腸炎

小児の急性胃腸炎のほとんどはウイルス感染症によるものです。
よく知られている原因ウイルスとしてはロタウイルスが約25%を占め、また最近話題となっているノロウイルスが約15%を占めています。

ノロウイルスは突然有名になったウイルスですが、これは2002年に初めて国際ウイルス命名委員会で分類命名されたもので、厚生労働省も2003年に食品衛生法の病因物質としてノロウイルスの名前をあげるようになりました。

症状は突然の吐き気と嘔吐ではじまり、下痢や発熱をともないます。ウイルス疾患であるため抗生物質は効果がありません。整腸剤や吐き気止めの薬を使用し水分(アルカリイオン飲料)やゼリーなどあまいものを少しずつ補給しながら回復を待ちます。

くりかえし嘔吐して水分がとれない場合や、脱水症状が見られる場合は点滴治療が必要となります。感染経路としては飛まつ(つばによる)感染のほかに吐いた物や糞便からも感染しますので、吐いた物やオムツの取り扱いの際にはマスクを着用して手洗いを十分におこないましょう。吐いた物はビニール袋に密封して処分し、床はミルトンなら10倍、ハイターなど塩素系殺菌漂白剤なら50倍にうすめてふき取るとよいでしょう。

また患児が使用した食器は85℃以上の熱湯で1分間ひたしておくと安全です。手洗いのときは衣服のそではひじまで上げて、指先から手のひら、手の甲、手首から上の部分まで念入りに洗いましょう。