夏に流行するウイルス感染症

①手足口病

コクサッキーウイルスA9、A16、その他エンテロウィルス71などの感染により、口内炎と水疱性発疹をきたす疾患です。

発疹は主として手のひら、足のうら、肘関節、膝関節に好発しますが、乳幼児では臀部(おしり)にも出現します。

口内炎はのどの部位にも出現しますが、舌、頬粘膜、歯ぐきにも出現し、痛みを訴えます。約3割の児に38℃前後の発熱が1~3日間認められます。

ウイルスのタイプによっては、髄膜炎を合併することがあります(特にエンテロウィルス71による流行の場合は注意)ので、症状が消退するまで安静が必要です。熱がなく、口内痛も消失して食事も十分摂ることが出来、全身状態がよければ登園は可能です。

②ヘルパンギーナ

急な発熱、不機嫌、哺乳不良、流涎(よだれ)がみられ、この疾患もコクサッキー、エコーウイルス感染が原因です。口内炎は咽頭だけに認められ、発熱は約3日間認められます。

③咽頭結膜熱

プール熱ともいわれ、突然の高熱、頭痛、食欲不振で発病し、咽頭痛、結膜充血、眼痛、目やに、下痢などをともないます。発熱は3~5日間持続します。咽頭ぬぐい液を用いた診断方法もあります。

感染性がつよく、飛沫感染(つば)で発症します。プールの水から感染することもあります。この病気も安静を保ち、症状が軽快するのをじっくり待ちます。

家庭では手洗いをしっかり行い、タオルの共有は避けましょう。

なお、上記のような、夏にみられるウイルス感染症(夏かぜ)に対しては抗生物質は効果がありませんので投与はしません。