百日咳とクループ症候群について

百日咳とクループ症候群という病気はそれぞれ異なる病気ですが次の2つの共通した特徴があります。

1 ともに乳幼児期に多くみられる病気で重症化しやすいこと。
2 咳の症状が特徴的なので咳のしかたで診断がつきやすいこと。

この2点があげられます。

▼百日咳
百日咳にかかった時の咳は大変特徴的で、かおを真っ赤にして連続的にはげしい咳が出ますが、吐き出す連続的な咳が出おわってから、つぎに息を大きく吸い込むときに特徴的な吸気音(レプリーゼといいます)を発します。咳き込むときにあまりに苦しいため涙が出たり咳と一緒に吐いたりすることもよくあります。

百日咳の場合はお母さんからの免疫(移行抗体)は赤ちゃんに移行しませんので新生児期から感染して発症する可能性があります。新生児期はもちろんのこと、乳児期に百日咳にかかりますと非常に激しい咳が見られて肺炎をおこしたり、低酸素性脳症で後遺症を残したり致命的になることもありますので早めに予防接種(三種混合)をすませましょう。

ただし、三種混合の予防接種をしている児は上記のような特徴的な咳を認めないことがありますので激しい咳が長びく場合は本症を鑑別する必要があります。

▼クループ症候群
クループ症候群も大変特徴的な咳をします。その咳は動物の鳴き声にたとえられることが多く、“オットセイの鳴き声のような”“犬がほえるような”のどの奥からの深い咳をします。また息を吸い込むときに喘鳴(ゼイゼイという音)や、かすれた声が認められます。

原因はウイルスや細菌などの感染によって喉頭という部位(声を出すはたらきをもつ声帯がある部分で、空気がとおる狭い気道部位のひとつ)で炎症がおこり発症します。炎症によって喉頭がつよくはれるために呼吸困難をきたすこともしばしばあります。乳幼児多くみられる病気ですが、とくに乳児は重症化しやすい傾向があります。ときに気管内挿管といって気管にチューブを入れて人工呼吸器管理が必要となることがあり、またこの病気もときに致命的になることがあるため油断できない病気です。

クループ症候群は一度かかると、しばらくしてもういちど発症することがありますので同じような咳をしはじめたら早めに受診するべきと考えます。

(本文の要旨はラジオホームドクターにて放送)