一部の保育園、小学校で溶連菌感染症の発生がみられています。
日本小児感染症学会では小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017で、溶連菌感染症治療の第1選択薬はアモキシシリン(ペニシリン系)としています。
本年4月に行われた日本小児科学会教育講演で、川崎医大小児科教授の尾内一信先生は上記ガイドライン2017の解説で、ペニシリン系抗菌薬を第1選択薬とすることを強調されました。
近年、溶連菌感染症に対してセフェム系抗菌薬の5日間投与が推奨される報告が小児感染症学会でもあり、それもあってか近年セフェム系を5日間投与する傾向にありました。
上記のガイドライン2017でも第2選択薬として記載がしてあるため、直接尾内教授に「溶連菌感染症にセフェム系抗菌薬を投与するのはどうか」と、たずねたところ、「セフェム系抗菌薬を投与することは溶連菌以外の菌に対して耐性菌を増加させる可能性があるため、第一選択薬としてペニシリン系を投与すべき」と回答されました。