溶連菌感染症その2

溶連菌感染症が例年より増して多発しています。

典型的な症状の児については診断が容易ですが、のどの痛み、微熱程度の症例は、症状が軽いため見逃される可能性があります。

溶連菌感染症に続発する病気として、腎炎、血管性紫斑病、リュウマチ熱などが知られています。(腎炎、リュウマチ熱に関しては、まれな疾患となっていますが)
溶連菌感染症との関連性は明確ではありませんが、当院ではこの1ヶ月間に2例の血管性紫斑病の症例をみています。

近年、溶連菌感染症の早期診断、早期治療によって、溶連菌感染後の腎炎の発症はきわめてまれとなっていますが、正確な診断がなされない場合は腎炎などの続発症を発症する可能性が考えられます。

身近に溶連菌感染症の児がいる場合は、ちょっとした微熱、のどの痛みでも医療機関を受診されることをおすすめします。

補足説明:
溶連菌感染症を2回発症する児がみられます。
①薬の内服終了後、2~3日以内に再び発熱などで発症する場合は、抗生物質の内服や効果が十分でなかったため細菌が死滅せず、ふたたび発症したと考えられ、②一方、1~2ヶ月以上経過した後に再び発症した場合は、別のルートからの再感染が考えられるとの報告(H.20.4月日本小児科学会:東京)がありましたが、1~2ヶ月以上経過した後に再び発症した場合も抗生物質の内服や効果が不十分であったケースがありうると考えます。

また、検尿についてもまれに異常所見が発見されるケースがありますので、内服治療後は尿検査をおこないます。