アレルギー性紫斑病

アレルギー性紫斑病は小児では比較的よくみられる病気の1つで、全身性の血管炎のため皮膚症状、関節症状、消化器症状をひきおこす病気です。
原因はIgAという免疫複合体が皮膚、腸管、腎臓などの血管壁に沈着して血管炎を引き起こすために発症すると考えられています。本症は細菌やウイルス感染症に続発することが多く、特に溶連菌感染症に続発することが多いことが知られています。

皮膚症状皮膚症状(紫斑)は100%出現します。
両下肢下腿に出現することが多く、発疹の初期は小さく盛り上がるために湿疹などとまちがわれることがありますので注意が必要です。
その他、膝のまわり、両ひじの後ろ側やおしりなどにも出現します。
腹部症状消化管における血管炎のため、腹痛、血便、下血などをみとめる場合があります。
大量の消化管出血のため何度も輸血を必要とした症例を経験したことがあります。
関節症状膝の関節の疼痛、腫れなどの症状が時にみられます。
合併症アレルギー性紫斑病で注意すべき合併症に、紫斑病性腎炎があります。
アレルギー性紫斑病に合併する腎炎の発症率は20~50%とされ、腎炎を発症すると腎炎が長引く傾向にありますのでアレルギー性紫斑病の早期発見、早期治療が必要と考えます