あかちゃんと果汁と日光浴

2~3か月のあかちゃんにお茶や果汁を飲ませようとするおかあさんがおられますが、特にあたえる必要はありません。

赤ちゃんに果汁やお茶をあたえる習慣の由来は、古い話になりますが戦後の食料事情の悪い時代に母親の栄養不良のために母乳の出がわるくなり、あかちゃんがビタミンC不足になってしまい、壊血病という病気になることを予防する目的としておこなわれるようになったようです。

現代では人工ミルクはもちろん、母乳中のビタミンCが不足することは考えられませんので離乳食開始前のあかちゃんにお茶や果汁をあたえる必要はないのです。

日光浴も同様で、現代はあかちゃんに日光浴をさせる必要はありません。

むかしの家屋は窓が小さかったために窓からの採光が少なく部屋が明るくなかったことや、また母乳中のビタミンD不足が原因で、くる病(骨がうすくなり、成長が障害される病気)になるあかちゃんがいたため、ビタミンD不足に対する苦肉の策として日光浴をすることをすすめたのです。
(紫外線はビタミンDの合成を促進させるはたらきがあります)
つい最近まで、母子手帳にも“日光浴をさせましょう”という記載がありました。

でも、紫外線の強い現代では日光浴は逆に皮膚などからだに有害になる可能性がつよいため、日光浴はすすめられなくなり、現在は母子手帳の記載も“外気浴をしましょう”という表現にかわっています。

ただし、最近、日焼け止めクリームを毎日塗り続けたために、紫外線の照射を受ける量がきわめて少なくなってしまい、くる病になってしまった事例が報告されています。やはり、適度に日の光を浴びることは必要だと考えます。